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会社や社会が守ってくれる、という幻想について

 随分と前になりますが、日本という国は「護送船団方式」と言って、皆が出しゃばらず、皆が同じような意見を持ち、皆が突出して利益を得ないよう相互の監視を通して一見平等で対等であることの幻想を抱かせていたのです。が、人の能力に差があって、これの格差を埋められないことに対しての不満が爆発した結果、成果主義能力主義と言った便法が出て来ました。決して悪いことではないのでしょうが、劣後する人たちからの羨望や嫉妬を買い始めてぎくしゃくし始めてきています。本来、ゆっくりした曲線での変化を望んできたのでしょうが、才に溢れる人たちにとっては好機ですので、いち早く先陣を切ってその才を芽生えさせ始めました。

その結果、格差とか差別が明確化して違った意味での差別が横行し始めました。もともと、終身雇用・年功序列・企業内組合によって守られてきた一般職の人たちにとって、行き場のない部屋や部署に追いやられてきました。30年単位でも、今は無くなった職業・職種が出て来ましたので、自分の身は自分で護らなければならないという現況が出て来ました。これによって何かが変わり、社会は一つの環でできているものではないという現実を思い知らされました。福利厚生が行き届いても何かしっくりこない、有給休暇があっても休めない、労働の対価は適正ではなくなった、という不満は常にくすぶっています。これらを解消するためには、幸福追求権を個々が如何に現実のものにするかということでしょう。