私は、その都度必要に迫られて根拠を求めて、ものの本を開くのが常ですが、用意周到に、価値の事前準備の十分な人は、予測をして学んで緊急にあっても披瀝(ひれき)できる素養を持ち合わせているようです。これは、先見性と共に素晴らしい予知能力であると感心しますが、息の吐(つ)く暇の無いような生活に感嘆するとともに、“疲れるだろうな”と思わずにはいられません。
私の就職時期には、新卒などという意識も無かったのですが、隣の席ではマスコミに行きたいと考えていたのでしょうか、新聞のタブロイド判を何年にもわたって、過去のニュースを細かいところまで調べているひともいました。確かに、6・3・3制下での勉学では追いつけないほどの知識の量を求められてきていますので、誰かを出し抜くという意味ではなくても、分野を問わず沢山の知識や素養をため込んでいる人を見受けます。
古今から見ましても、素読から始まって理解を師に問うなどの力量を示していきませんと、他を圧倒できないようです。知っていることが優位を保つことであるなら、この程度で良いのでしょうが、学問の面白さと、現場での利用は必ずしも重なりませんから、温存している人もいますし、遊びの場で披瀝する人もいます。
どの傾向が良いのかは、判断できはしないのですが、その都度使えて、的を射ているようでしたら、これ以上は望まないのでしょうが、戦いには勝てないでしょう。