武士の横行時代でも、現在の世の中でも、考え方や行動に大きな違いはないでしょう。何時の世も、どの階級にいても、才知に長けたひとは、贅沢や暮らし向きが良いし、一生懸命に働いても真面目なだけが取り柄では、なかなかぜいたくな暮らしはできません。放牧や狩猟採集の時代にまで遡っても結論はおなじことでしょう。
無くならないのが、貧富の差と地位の上下でしょう。これを超えるのは容易なことではありませんから、皆が羨(うらや)むような公私に亙る生活には、満足とまではいかなくても、ある程度の技巧は必要になってきます。
日本国内でも、サラリーで生活する人たちが圧倒的ですし、このひとたちにも幅があり、年収の低いひとから高い人まで、ばらつきがあります。そのために、独り身の時とパートナーをもって子どもがいたり、家族という集団生活を望む人たちにとっては、収入を上げるか、倹約するかの違いで、高収入の人たちとは段違いに、“つましい”生活を余儀なくされます。
そして、将来の為とか、家族の為とかで言いましたら、独り身以外では無尽蔵に贅沢をしてはいられませんので、出費を抑え(⇒質素・倹約)、収入を上げる(⇒貯蓄)ことが、将来への不安解消の手段・方法でしょう。その一環として、意味は同じでも、形を変えた倹約とか質素、乃至は貯蓄で心身ともに豊かにすることでしょう。違いはありません。