コンサルティングについては、国内において、専門職としての認知を得ましたのが約30年くらい前でしょうか。それまでは、国内企業の全体でもコンサルとしての立ち位置が確立していたとは言えないでしょう。しかし、アメリカでのMBA取得が大きく取り上げられてきましたら、国内の経済学部や経営学部及び法学部の学生までもが、修士の学位ならアメリカでという意識が高まってきました。
ですから、企業経営者らの子弟は好んで大学院を国外に求め、MBAを取得して帰国するのが多かったような気がしています。しかしながら、企業経営が必ずしも学問の延長にあるのではないということが認識されたこともあり、学問の延長に経営があるのではないという理解も出てきました。一部では、東京大学初の経営学博士が誕生しましたので、経済学から独立した経営学も脚光を浴びるようになりました。経済学→商学→経営学と独立して学問となるばかりではなく、アドラーという20世紀の偉大な経営学者が出たこともあって、今現在でも経営学は傑出(けっしゅつ)しているようです。ただ、短兵急に人が才を発揮するには時間的余裕がないものですから、一方向にはいかないようです。
コンサルの立ち位置は、学ぶ以上に経営の浮沈(ふちん)をしっかりと捉える思慮深い考え方も併せて持ってもらいたいと考え、その延長に立ち位置は決まってくるものと考えます。