ひとそれぞれに、固有の性格はあります。そして、其の性格は変わりません。怒髪(どはつ)天を突いたり、一夜にして総髪(そうはつ)が白髪(しらが)になったりするようなショッキングな出来事があった場合以外は、変わらないのが通常です。何故か、両親からもらった遺伝子と掛け合わせた変異は、当人が持っている固有の性格ですから、これを変えようとしても、変わらないからです。訓練や修行、先輩や先達からの指導があって、尊敬したり、感心したりしても、当人の性格に変更はありません。数々の“圧(あつ)”は、一過性のものだからです。継続して圧を掛けられたとしても、これらが過ぎましたら、元に戻ることは専決事項体が覚えていますから、実際元に戻ってしまうのです。ですから、私どもの年代では、ゲンコツと強制と、反論を許さない指示・命令であっても、当人の内心を変えるには至らなかったのです。
掲題の、「人の性格と改善方法」ですが、本人の納得と心酔(しんすい)がある程度続くように、装うことで、成ったように振る舞うことです。過去には、朝の4時に起きてから、夜中の零時まで座禅を組んでみたのですが、暫くしますと、何も変わらなかった過去があり、自分の成り行きに納得しました。日曜ミサに出かけても、暫くしますと元に戻っている自分がいます。
これらが、陳腐な例かどうかは別に、人の内奥(ないおう)にある心の襞(ひだ)には、他人の容喙(ようかい)の余地がない、その人固有の「様(さま)」があるからです。