「自尊心」という言葉自体からして、何か特別なモノ・コトであると考えましたら、委縮してしまいます。自分が自分であることに平然としていられることです。平然というのが、厚顔無恥とは全く違って、気配り・目配り・忖度の出来る配慮への気付きでしょう。
皆が持っていて、自分だけが無いとしましたら、劣等感に苛(さいな)まれます。しかし、同じように他の人も持っていないと分かりましたら、気分も和(なご)むことでしょう。
毎日の中で、自分は何をしたら認められるかとか、どんなに苦しいことにも耐えなければ何事も成功しないなどと考えていましたら、これでは心が萎(しぼ)んでしまって、何事にも積極的になれないでしょう。ですが、世間で言う“小さな成功体験”とは、人に道を譲ったり、お年寄りに手を貸してあげることでも良いのです。自分の内心が納得できるような小さな出来事が自分を高めてくれます。これが続きますと、自ずと自信がついてきて、以前より積極的になっている自分を発見します。
こうした積み重ねが、自分を高みにもっていけて、更には自信に繋がります。正にこれが、自尊心向上の姿勢でしょう。最初から、高度で、高次の難度の高い手法などは不要です。目の前の誰にでもできて、さにあらず自分がしたことで相手が気を許してくれるような小さな親切です。この心が分かりましたら、自尊心は自ずと高められると信じています。