今現在は、過去の所謂「昭和世代」の意識を考え直さざるを得ないでしょう。何故なら、高度な文明とひとが不要な産業の進展で、少子化とともに、人の要らない産業の進出が趨勢(すうせい)を占めるようになったからです。これは、どの業種にも当てはまる重要で不可欠の問題提起です。
そのため、親や先祖が優秀であったから、子らへの世襲が可能かと言いますと、必ずしも当てはまらなくなっていきます。これが、現実化してきましたのが2000年代になってすぐでした。
しかし、優秀な人ほどこうした現実を認められず、認識しようとしないできました。自分にとって当たり前のことが、当たり前でなくなってきたからです。世襲が可能な家庭や環境では少なくとも延命できるでしょうが、これも底をつきますと、『引きこもり』という難しい現実を見させられます。現に、子どものみならず、若人世代以上の引き籠りが現実となりました。
厚労省のデータが詳細かどうかは分かりませんが、引き籠りの数が150万人をうろうろしているとの情報もあります。正確かどうかは分かりかねます。が、エクセレントカンパニーや省庁への就職を可能にする以外は、業種を選択できない人が増えていくでしょう。これは、昭和初めの「大学は出たけれど」という環境とは違った、異質の環境の現出です。親は子どもと共に、自分らの生涯設計と職にあぶれた子らへの手当てをしなくてはいけなくなるでしょう。