私どもは、社会人となって業務においても、私生活においても、必ずしも失敗をしないという完璧さを顕出できません。これは、親の庇護のもとでも同じことです。しかし、社会人となってからは、自己の職業人生を左右するような出来事に会います。この時、自身の失敗を上司が手当てしてくれているうちは良いのでしょうが、叱責されたり、責任を取らされたり、懲戒になったりと、色々のケースが出てくるでしょう。
そうした場合において、特に部下の失敗を上司はどのように見ているかと言いますと、過去の自分を見ているか、どんなことにも失敗は無かったと叱責するか、社長でも方針を誤るのに、一(いち)部下(ぶか)が失敗したからと言って、その対処の仕方で上司自身も器量を問われることになるでしょう。自分も試されているのです。ですから、どんなにひどい失敗やうっかりミスなどをみて、上司らはどのように部下を育てているかを見なければならないと言えるでしょう。
大事な取引先を失ったり、上司自身の信用を失墜したりと、様々な場合があるのでしょうが、その時々での自己の演出が双方の将来を左右することになります。
部下の失敗は、上司自身の失敗でもあるから、毅然(きぜん)とした身の振り方をしていきませんと、後々全ての災厄が降りかかることになります。甘やかしもいけないのでしょうが、育て、企業や組織の戦力になることで、伸びていくことが大事で、貶(おとし)め合いはすべきではないでしょう。